
そもそもの発端は、祖母の携帯からの着信。
遅めの昼休みで、甘いもんでも買おうかなとコンビニをぼんやりうろうろしていた時に携帯が鳴り、すぐ切れた。
携帯は持ってるけど、ほぼ使いこなせてない祖母が電話をかけてくることは滅多にない、つーか初めて、つーか私の携帯に電話してくるの自体初めてだ。
そっこーかけ直したけれど、出ない。
まあ間違ってどっか押しちゃったんだろうな、とは思ったんだけども。
どこかで倒れて私に助けを求めているんじゃないか
とか、
誘拐されて犯人が電話をかけてきたとか!?
とか、うっかり想像してしまって(無駄な想像力)軽く焦った私は、母に電話することにした。
数回のコールの後、「はいはい?」と男性の声。
一瞬えっ…てなったけれど、ああ、今日は仕事が休みで両親ともに家にいて、私からの着信だから父が出たのね、と0.5秒ほどで判断する。
「あれ、お父さん?これお母さんの携帯やろ~?」
ええ、私は父だと信じて全く疑ってませんでした。
だってしばらくスムーズに会話してたしね。
「あ、じゃあお母さんに代わってくれる?」
「え?」
「え?」
「あ、社長に代わる?」
うちの母が社長になったことはありません。
「え?いや…」
「あれ?タカシマさんでしょう?」
誰!?
「いや、違いますけど…」
「え?どちらさまですか?」
「あ、寺谷です…」
完璧に間違い電話。
そしてかけたの私。
「あっ、私、多分間違えました、すみません!」
「え?そうですか?」
いや、だってあんたうちの父じゃないよね?
「はい、私が間違えたみたいです。ほんとすみません」
「そうかなあ…」
何故か電話を切らせてくれない、父じゃないおっちゃん。
「いや、ほんと、すみません。私間違えました!本当にごめんなさい!」
「あ、そうですか」
「はい、本当にすみません、すみません」
謝り倒して電話を切る。
超赤っ恥。
しかし、私は自分の携帯の電話帳から母にかけたのだ。
おかしいじゃないか。
何で知らんおっちゃんに繋がるんだ。
確かに数ヶ月前に番号が変わったというメールを受け取って、電話帳に登録したはずだ。
メール確かめた。
合ってた。
何でだ!!!
そこそこパニくった私は、今度は父の携帯にかけた。
「はいもしもし~」
今度こそ父の声だ。
(でもさっきのおっちゃんの声も最初は父の声に聞こえたんだよ!おれおれ詐欺が成功するはずだよね!と、余談)
「あ、お父さん?今お母さんの携帯にかけたんやけど、知らん人が出たんよ!いや、それよかおばあちゃんから着信があって、あー、え?」
パニくりすぎだ。
とにかく、母の携帯の番号が変わってないことを確かめる。
じゃあ何で?
ドコモ?
ドコモのせいなの?
しかし再度母の携帯にかけてまたあのおっちゃんが出たらと思うと怖い。恥ずかしいのが怖い。
やめた。
母のことはいい。
今は祖母だ。
父のアドバイスに従って、祖母の自宅電話にかけることにした。
「はいもしもし?」
普通に出た。
「おばあちゃん?久美子やけど」
「あらぁ、久美?どしたん?」
「いや、さっきおばあちゃんの携帯から着信があったけん」
「ああ、あれ、ばあちゃん携帯が分からんけん、なんかいろいろ触っとったら久美の名前が出てきてしもたけん、いかん思て慌てて閉じたんよー」
解決。
予想通り。
何が誘拐か。
とひそかに一人つっこみを入れて恥ずかしさも解消。
久々に祖母の声も聞けたし、なんだかんだ有意義だった。
と安心して仕事に戻ったのだけど、今度は母のことが気になってきた。
何で母の携帯に知らないおっちゃんが出たのだろう。
回線の不具合なのか?
たまたま母の職場の人がうっかり出てしまったのか?
まさか…
まさか……
お母さん、あのおっちゃんと、不倫…?
うちの母は、まず不倫に向かないキャラだ。
隠しごとは下手だし、
嘘も下手だし、
不器用だし、
何より、善良だ。善良な人なのだ。
ありえねえええ!
しかし、私の知らない母の一面があったら?
もし母に聞いて、実はね…と言われたらどうしよう?
ほんっと、無駄な想像力だけがどんどん暴走する。
つーか、不倫相手の携帯に間違えて出るようなバカとつきあってたらやだなあ…
いや、そもそもそんなおっちゃんじゃなくて、せっかくならもっと若い男とつきあうとかさあ
無駄な想像力が横道に逸れまくる。
で、まあ、結論から言うと、
番号間違ってました!
てか、母の番号変わったよメールに書かれてた番号自体が間違ってました!
もうほんと、それ分かる前の私の覚悟を返してくれよと。
まあ無駄な想像力が暴走しただけだけども。
お母さん、不倫してるんじゃ…て思ったんだよ、と言ったら、電話の向こうで大爆笑していた。
そだよね。
ないよね。
それでも、母の不倫を疑った午後は、結構スリリングでしたよと。
ひとまず、母の浮気相手と疑ってしまったおっちゃんと、混線じゃねえのかと疑ってしまったドコモに、謹んでお詫びを、心の中で申し上げます。
遅めの昼休みで、甘いもんでも買おうかなとコンビニをぼんやりうろうろしていた時に携帯が鳴り、すぐ切れた。
携帯は持ってるけど、ほぼ使いこなせてない祖母が電話をかけてくることは滅多にない、つーか初めて、つーか私の携帯に電話してくるの自体初めてだ。
そっこーかけ直したけれど、出ない。
まあ間違ってどっか押しちゃったんだろうな、とは思ったんだけども。
どこかで倒れて私に助けを求めているんじゃないか
とか、
誘拐されて犯人が電話をかけてきたとか!?
とか、うっかり想像してしまって(無駄な想像力)軽く焦った私は、母に電話することにした。
数回のコールの後、「はいはい?」と男性の声。
一瞬えっ…てなったけれど、ああ、今日は仕事が休みで両親ともに家にいて、私からの着信だから父が出たのね、と0.5秒ほどで判断する。
「あれ、お父さん?これお母さんの携帯やろ~?」
ええ、私は父だと信じて全く疑ってませんでした。
だってしばらくスムーズに会話してたしね。
「あ、じゃあお母さんに代わってくれる?」
「え?」
「え?」
「あ、社長に代わる?」
うちの母が社長になったことはありません。
「え?いや…」
「あれ?タカシマさんでしょう?」
誰!?
「いや、違いますけど…」
「え?どちらさまですか?」
「あ、寺谷です…」
完璧に間違い電話。
そしてかけたの私。
「あっ、私、多分間違えました、すみません!」
「え?そうですか?」
いや、だってあんたうちの父じゃないよね?
「はい、私が間違えたみたいです。ほんとすみません」
「そうかなあ…」
何故か電話を切らせてくれない、父じゃないおっちゃん。
「いや、ほんと、すみません。私間違えました!本当にごめんなさい!」
「あ、そうですか」
「はい、本当にすみません、すみません」
謝り倒して電話を切る。
超赤っ恥。
しかし、私は自分の携帯の電話帳から母にかけたのだ。
おかしいじゃないか。
何で知らんおっちゃんに繋がるんだ。
確かに数ヶ月前に番号が変わったというメールを受け取って、電話帳に登録したはずだ。
メール確かめた。
合ってた。
何でだ!!!
そこそこパニくった私は、今度は父の携帯にかけた。
「はいもしもし~」
今度こそ父の声だ。
(でもさっきのおっちゃんの声も最初は父の声に聞こえたんだよ!おれおれ詐欺が成功するはずだよね!と、余談)
「あ、お父さん?今お母さんの携帯にかけたんやけど、知らん人が出たんよ!いや、それよかおばあちゃんから着信があって、あー、え?」
パニくりすぎだ。
とにかく、母の携帯の番号が変わってないことを確かめる。
じゃあ何で?
ドコモ?
ドコモのせいなの?
しかし再度母の携帯にかけてまたあのおっちゃんが出たらと思うと怖い。恥ずかしいのが怖い。
やめた。
母のことはいい。
今は祖母だ。
父のアドバイスに従って、祖母の自宅電話にかけることにした。
「はいもしもし?」
普通に出た。
「おばあちゃん?久美子やけど」
「あらぁ、久美?どしたん?」
「いや、さっきおばあちゃんの携帯から着信があったけん」
「ああ、あれ、ばあちゃん携帯が分からんけん、なんかいろいろ触っとったら久美の名前が出てきてしもたけん、いかん思て慌てて閉じたんよー」
解決。
予想通り。
何が誘拐か。
とひそかに一人つっこみを入れて恥ずかしさも解消。
久々に祖母の声も聞けたし、なんだかんだ有意義だった。
と安心して仕事に戻ったのだけど、今度は母のことが気になってきた。
何で母の携帯に知らないおっちゃんが出たのだろう。
回線の不具合なのか?
たまたま母の職場の人がうっかり出てしまったのか?
まさか…
まさか……
お母さん、あのおっちゃんと、不倫…?
うちの母は、まず不倫に向かないキャラだ。
隠しごとは下手だし、
嘘も下手だし、
不器用だし、
何より、善良だ。善良な人なのだ。
ありえねえええ!
しかし、私の知らない母の一面があったら?
もし母に聞いて、実はね…と言われたらどうしよう?
ほんっと、無駄な想像力だけがどんどん暴走する。
つーか、不倫相手の携帯に間違えて出るようなバカとつきあってたらやだなあ…
いや、そもそもそんなおっちゃんじゃなくて、せっかくならもっと若い男とつきあうとかさあ
無駄な想像力が横道に逸れまくる。
で、まあ、結論から言うと、
番号間違ってました!
てか、母の番号変わったよメールに書かれてた番号自体が間違ってました!
もうほんと、それ分かる前の私の覚悟を返してくれよと。
まあ無駄な想像力が暴走しただけだけども。
お母さん、不倫してるんじゃ…て思ったんだよ、と言ったら、電話の向こうで大爆笑していた。
そだよね。
ないよね。
それでも、母の不倫を疑った午後は、結構スリリングでしたよと。
ひとまず、母の浮気相手と疑ってしまったおっちゃんと、混線じゃねえのかと疑ってしまったドコモに、謹んでお詫びを、心の中で申し上げます。
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